法改正

【2024年】強度行動障害児支援加算とは【報酬改定・放デイ】


本記事では、強度行動障害の定義から支援加算の具体的な算定要件、専門研修の重要性、さらに加算を取得する際の注意点までを網羅して解説します。

強度行動障害児支援加算とは

強度行動障害とは?

強度行動障害は、行動や情緒に顕著な問題を抱え、日常生活や社会生活において重大な支障をきたす障害です。具体的には、自傷行為、他害行為、破壊行為など、対人関係や社会的環境において深刻な困難を引き起こす行動を指します。

強度行動障害児支援加算の概要・目的

強度行動障害児支援加算の目的は、児童発達支援や放課後等デイサービスにおいて、特に支援ニーズの高い児童や強度行動障害をもつ児童への専門的支援の充実を図り、障害特性に限らず地域で安心して暮らせる環境を整備するために設定されています。

強度行動障害児支援加算の算定要件・加算単位数

強度行動障害児支援加算(Ⅰ)

強度行動障害児支援加算(Ⅱ) <放デイのみ>

算定要件加算単位数
確認表のスコア30点以上の児童に対する支援が対象
強度行動障害支援者養成研修の実践研修を修了した者がサービスを提供
支援計画を作成し、支援を行う
250単位/1日  
加算開始から90日間は +500単位/1日

強度行動障害児支援加算確認票のスコアとは?

強度障害児支援加算の確認票は以下のものです。合計のスコアが20点以上の場合は強度行動障害児支援加算の対象となります。

行動障害の内容1点3点5点
ひどく自分の体を叩いたり傷つけたりする等の行為週に1回以上1日に1回以上1日中
ひどく叩いたり蹴ったりする等の行為月に1回以上週に1回以上1日に頻回
激しいこだわり週に1回以上1日に1回以上1日に頻回
激しい器物損壊月に1回以上週に1回以上1日に頻回
睡眠障害月に1回以上週に1回以上ほぼ毎日
食べられないものを口に入れたり、過食、反すう等の食事に関する行為週に1回以上ほぼ毎日ほぼ毎食
排せつに関する強度の障害月に1回以上週に1回以上ほぼ毎日
激しい多動月に1回以上週に1回以上ほぼ毎日
通常違う声を上げたり大声を出す等の行動ほぼ毎日1日中絶えず
沈静化が困難なパニックあり
他人に恐怖感を与える程度の粗暴な行為あり

強度行動障害支援者養成研修とは?

強度行動障害児支援加算を取得するためには、支援者養成研修を受講する必要があります。

研修は基礎研修と実践研修に分かれており、各2日間で行われることが一般的です。

実践研修を受講するためには基礎研修を修了している必要があります。

2024年度の報酬改定によって追加された強度行動障害児支援加算(Ⅱ)では実践研修を修了していることが算定要件になっています。

強度行動障害児支援加算を取得する際の注意点

専門研修修了者の適切な配置を行うこと

  • 支援を行う職員の中に、強度行動障害支援者養成研修を修了した者を適切な比率で配置する必要があります。この研修を通じて得た知識と技術は、強度行動障害を持つ児童への支援の質を高めるために不可欠です。

対象児童の選定には受給者証の確認が必須

  • 支援加算の対象となる児童は、その行動障害の程度が一定の基準を満たしている必要があります。この基準は、児童の受給者証に記載されている情報に基づいて判断されます。
  • 受給者証に記載された内容(例えば、児童の行動障害の基準点数など)を正確に確認し、加算の適用が可能かを判断する必要があります。

強度行動障害児支援加算まとめ

強度行動障害児支援加算は、専門的な知識と技術を持った職員による質の高い支援を通じて、強度行動障害を持つ児童が社会においてより良い生活を送ることを目指す制度です。専門研修修了者の配置、対象児童の正確な選定、事業所の体制整備が重要とされています。適切な支援体制のもと、児童一人ひとりのニーズに合わせた支援を提供することで、児童自身の可能性を最大限に引き出し、その家族の負担軽減にもつながります。

2024年報酬改定では更なる加算が算定されました、専門性の高い支援を要する強度行動障害児支援ですが、本記事が少しでも参考になれば幸いです。

【参考資料】: 「報酬改定概要」文書より、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容を基にしています。

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