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放課後等デイサービス・児童発達支援におけるアセスメントとは?実施のポイントを細かく解説


放課後等デイサービス・児童発達支援を運営する中で避けては通れないアセスメント。
「言葉としてはよく聞くし、なんとなく分かるけれど適切なアセスメントが出来ているのか自信がない」「どのお子様も似たようなアセスメントになってしまう」等のお悩みを多く聞くことがあります。
今回はそもそもアセスメントとは何なのか、どのような点に注意して行えばいいのかを細かくお伝えします。

放課後等デイサービス・児童発達支援におけるアセスメントとは?実施のポイントを細かく解説

アセスメントとは?

広い意味の「アセスメント」

アセスメントとは、元々は「assessment」という英単語であり、人やものごとを客観的に評価・分析することを意味する言葉です。福祉業界だけではなく、看護の分野や人材マネジメントの場面でも適切な評価を行うという文脈で使用されます。

放課後等デイサービス・児童発達支援においてのアセスメントとは

放課後等デイサービス・児童発達支援においてのアセスメントとは、療育を受けるお子様の環境や行動などの情報を収集し、分析をすることを指します。支援方針を決めるにあたってとても重要なプロセスです。お子様本人の発達状況だけでなく、家族や周囲の環境を適切に把握し、本人と家族の意向を丁寧にくみ取ることが重要とされます。

アセスメントをする理由

なぜアセスメントをするのか?

放課後等デイサービス・児童発達支援において、なぜアセスメントをしなければならないかというと、一番の理由は意味のある個別支援計画書をつくるためです。療育を行うにあたり、お子様一人一人の大切な半年間の支援指針になる個別支援計画書。お子様と保護者のニーズをしっかりと把握し、ニーズを叶えるためにはどんなステップが必要になるのか、また、障害になることがあるとしたらそれはなぜおきているのかを適切に認識し、個別支援計画書を作成する必要があります。その準備としてアセスメントはとても重要になるのです。

これは、病院で医師が患者の症状を診断することと似ています。風邪を引いた時に、医師が患者さんの症状や健康状態を詳しく調べ、正確な判断を下すために検査や「どこが痛いか」「どんな風につらいか」などの問診を行います。その後、患者さんに適した治療法や薬の処方を含む個別の治療計画を立てます。アセスメントを行っていない状態で個別支援計画書をつくることは、症状を聞かずに処方箋を出しているようなことなのです。

療育の現場でのアセスメントは、お子様の状況やニーズを適格に把握し、適切な療育方針や計画を立てるのに役立ちます。病院では適格な診断が治療の出発点であるように、アセスメントも適切な支援の基盤となります。

アセスメントをしないとどうなるか?

アセスメントがきちんととられていないと、個別支援計画書の目標や設定課題が適当と言えるものではなくなります。また、実地指導の際にアセスメントの記録や保護者様との面談記録が残っていないと場合によっては、減算になってしまう可能性があります。実際に、放課後等デイサービスガイドラインではアセスメントをした情報を整理した上で、個別支援計画書を作成することが求められています。

障害児相談支援事業所等が作成した障害児支援利用計画や、自らの事業所でアセスメントした情報を課題整理表等を用いて整理した上で、放課後等デイサービス計画を作成する。

放課後等デイサービスガイドライン P22ー厚生労働省

アセスメントの取り方

誰が行うのか

アセスメントは基本的に児童発達支援管理責任者が行います。

「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」において児童発達支援管理責任者は、アセスメントにあたり保護者及び障害児に面談をしなければならないこと、アセスメントに基づいて個別支援計画書をつくらなければならないことが明記されています。個別支援計画書は児童発達支援管理責任者以外が作成をした場合、減算になることがあるので注意しましょう。

児童発達支援管理責任者は、児童発達支援計画の作成に当たっては、適切な方法により、障害児について、その有する能力、その置かれている環境及び日常生活全般の状況等の評価を通じて通所給付決定保護者及び障害児の希望する生活並びに課題等の把握(以下この条において「アセスメント」という。)を行い、障害児の発達を支援する上での適切な支援内容の検討をしなければならない。

児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第二十七条

アセスメントのプロセス

それでは、アセスメントの具体的な手順をお伝えいたします。

①情報収集をする


最初に、お子様の情報を収集することが大切です。
面談は個別支援計画書を作成する上で欠かせないステップです。お子様・保護者との面談では、普段の様子やお困り事について丁寧にお話を聞きましょう。お子様や保護者がうまく言葉に出来ない課題もあるかもしれませんので、表情やしぐさ等にも注目してください。また、どんな特性があるのか、どんな生活環境で過ごしているのか、どのような場面で困っているのか、具体的に伺うことが重要です。事前に質問項目をまとめておくこともよいでしょう。併せて、実施指導のためにも記録をしっかりと残しておくことが重要です。

お子様の情報を収集する際には、学校や保育園、医療機関などの連絡帳や診断結果などの関連資料を提出して頂くことも有効です。可能であれば関係機関への直接の聞き取りを行うとさらに有益です。

②情報の分析


情報収集した後は、情報を分析します。
情報収集をした段階で記録をし、それだけで満足してしまうことがありますが、それは行動観察にすぎません。アセスメントでは、収集した情報から生じる課題がなぜ発生しているのかを分析することが重要です。解決する課題とお子様・保護者が望む状態を明確にしましょう。

③総合評価と総合的な支援方針の検討


分析結果を踏まえて、現状の状況を総合的に評価します。どんな目標にするのが適しているか、どんな支援をしていくのが成長につながるのかを分析した結果に基づいて検討していきます。これが、個別支援計画の基本となる部分です。

アセスメントにおいての注意点

保護者様との認識のずれ

多くのお子様や保護者と面談をしていると、経験に基づいてニーズを判断してしまうことがあります。一人一人のお子様や保護者の困り事、ニーズが違うことを認識し、経験則だけで判断しないようにしましょう。

思い込みや経験に基づく判断

自分の経験値や知識だけでアセスメントを行うと、根拠が不十分であったり、保護者に伝わりにくいものになってしまったりということがありがちです。アセスメントツール等を使い、客観的な情報も参考にしながら根拠のある分析・総合評価を行うことが大切です。

まとめ

  • ・放課後等デイサービス・児童発達支援におけるアセスメントとは療育を受けるお子様の環境や情報を収集・分析すること
  • ・アセスメントは個別支援計画書の基本になる重要な分析である。
  • ・丁寧なニーズ把握と根拠ある情報分析・評価が大切。

以上、アセスメントについて詳しく解説をしました。

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