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放課後等デイサービスの個別支援計画書の様式は?書き方の流れと注意


放課後等デイサービスや児童発達支援事業所などの事業者が利用者にサービスを提供するためには個別支援計画書を作成する必要があります。この記事では、個別支援計画書の書き方と様式、減算対象にならないためのポイントを解説します。

放課後等デイサービスの個別支援計画書の様式は?書き方の流れと注意

個別支援計画書とは?

個別支援計画書とは、放課後等デイサービスや児童発達支援事業所などの障がい福祉サービス事業所が利用者にサービスを提供するために作成する必要がある書類です。適切に利用者の発達を支援するために、利用者やその家族に支援計画を説明し了承してもらうこと、その支援計画に基づいた支援を行うことが義務付けられています。

個別支援計画書の作成は児童発達支援管理責任者(児発管)が行う必要があり、正しく作成ができないと減算の対象にもなるので、注意が必要です。

個別支援計画書の目的

個別支援計画書は利用者となる障がい児ひとり一人の発達の特性を正確に把握し適切な支援を行い続けるために作成します。

また、長期的な視点で教育や福祉、医療、労働など複数の関係機関が連携して一貫した支援を行うための記録としての目的を果たします。

個別支援計画書の作成時期

個別支援計画書は放課後等デイサービスや児童発達支援事業所の利用開始時に作成し、その後は、6か月に1回の頻度で内容の見直し、更新していきます。

利用開始時の個別支援計画書は利用開始前に作成が終了している必要があります。例えば4月1日から利用を開始する場合は3月中には個別支援計画書が完成している必要があります。作成した計画書に基づいた支援を4月1日から行い、その後、10月1日までに内容の見直し、更新を行う必要があります。

個別支援計画に記載するべき内容

個別支援計画書には以下の内容の記載が必要です。

  • 利用者の生活に対する困り感・ニーズ
  • 利用者や家族の意向や総合的な支援の方針
  • 長期到達目標(基本的には1年単位で達成を目指すメインの目標)
  • 短期到達目標(3~6か月で達成を目指す目標)
  • 生活の質、就労に必要な能力等を向上させるための具体的な課題
  • 課題の達成時期
  • 支援を行う際の注意・特記事項など

個別支援計画書の書き方(作成の流れ)

1.アセスメント

放課後等デイサービス・児童発達支援においてのアセスメントとは療育をうけるお子様の環境や行動などに加えて、家族のニーズや状況なども含めて情報を収集し、分析をすることを言います。個別支援計画を策定する前に行うアセスメントは非常に重要であり、利用者の状況やニーズを理解し、適切な支援を計画するための基盤となります。放課後等デイサービスや児童発達支援事業所におけるアセスメントは、療育を受ける子どもだけでなく、その家族や環境も含めた総合的な評価が行われることが一般的です。

2.個別支援計画書の原案の作成

アセスメントの結果を元に児童発達支援管理責任者が個別支援計画書の原案を作成します。児童ひとり一人の強みや課題、支援が必要な領域などを具体的に記載します。 原案であっても作成できるのは児童発達支援管理責任者のみです。

原案を作成するときは次のようなポイントに注意しましょう。

  • 利用者の情報を明確に記入
    • 利用者の基本情報(氏名、生年月日、住所など)を含む詳細な情報を明確かつ正確に記入します。
  • アセスメントの結果を反映
    • 利用者に対する事前のアセスメント結果に基づき、強みや課題、支援が必要な領域などを具体的に反映します。
  • 具体的で測定可能な目標の設定
    • 利用者が達成できるような具体的で測定可能な目標を設定します。目標は短期的なものから長期的なものまで検討します。
  • 支援方法と活動の詳細な記述
    • 各目標に対して、具体的な支援方法や活動を詳細に記述します。
  • 進捗の評価項目の設定
    • 進捗を適切に評価するための項目や基準を設定します。これにより、定期的な評価が容易になり、計画の調整が可能になります。

3.支援会議(担当者会議)を行う

関係者全員が計画に理解を持ち連携できるように、原案を関係者と共有し、計画の内容や目標、支援方法について確認します。意見を交換し合いながら、計画を最適化するための調整や修正を行い、支援計画を策定していきます。支援会議では議事録を保存しておく必要があります。

4.個別支援計画書の完成と保護者との同意

原案を元に支援会議で調整した個別支援計画書を保護者に共有し、計画や課題設定についての説明を行います。保護者との認識を合わせ同意を得たことの証として署名や押印をもらうのが慣例とされています。※自治体によって異なる場合もあります。

5.モニタリング

個別支援計画書の策定後は、計画に基づいた支援の実施と経過をモニタリングします。適切な支援が行われ続けているか、設定された目標が達成できたか、などモニタリング票に記録していき半年後の個別支援計画書の作成時に振り返れるようにしておきましょう。

個別支援計画書の記入例

実際の個別支援計画書の記入例です。

個別支援計画書の記入例

(名称等・日付等は未記入のものを使用しています)

個別支援計画書作成における減算対象

決められた方法で個別支援計画書の作成を行わず、サービスを提供していた場合、個別支援計画書未作成減算の対象となります。

  • 当月~2ヶ月  :全利用者の基本報酬30%減算(基本報酬×70%)
  • 減算適応~3ヶ月:全利用者の基本報酬50%減算(基本報酬×50%)

個別支援計画書未作成減算の対象となる具体例

  • 個別支援計画書を児童発達支援管理責任者が作成していない
    • 個別支援計画書や個別支援計画書の原案を児童発達支援管理責任者が作成していない場合、減算の対象となります。
  • サービス利用開始前に個別支援計画書が作成されていない
    • 個別支援計画書の作成日がサービス利用開始日より後の場合、その日数に基づいた減算の対象となります。
  • 児童や保護者との面談の記録やアセスメントシートが残っていない
    • 原案作成前の保護者との面談の記録やアセスメントの記録が残っていない場合、減算の対象となります。
  • 支援会議の議事録が残されていない
    • 原案を作成後の関係者の支援会議の記録が残っていない場合減算の対象となります。
  • 個別支援計画書に保護者の同意を得られていない
    • 保護者の同意を得ていない個別支援計画書に基づいた支援を行っていた場合減算の対象となります。
  • モニタリングの記録が残っていない
    • モニタリングを実施した記録やモニタリングの結果、同じ支援を継続的に行うのか支援内容の見直しを行うのかなど記録が残っていない場合、減算の対象となります。

まとめ

放課後等デイサービスや児童発達支援事業所の運営にあたり、児童ひとり一人の特性に合わせた個別支援計画書を作成し、適切な支援を行うことは必要不可欠です。児童や保護者、事業所のためにも必要なプロセスや要点をしっかりと抑えることが大切です。

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