コラム
2025.10.17
【放デイ経営】毎月チェックすべき5つの数字
「事業所の皆さん、毎月しっかりと数字を把握できていますか?」
今回は「放課後等デイサービス運営者が毎月チェックすべき数字リスト」についてお伝えします。
【Youtube動画はこちら】
なぜ「数字を見ること」が大切なのか
数字を見なければ、事業の現状も課題も正確に把握できません。
感覚だけの運営では、問題に気づいたときにはすでに手遅れということもあります。
数字を見ることで、うまくいっている点と課題を明確にし、変化の兆しを早期に察知して対策を打つことができるため、数字の管理は経営を守る最も確実な手段です。「数字を見られる事業所」だけが変化の中で生き残ります。
毎月チェックすべき5つの数字
療育事業所の運営者が最低限チェックしておくべき数字は次の5つです。
①利用実績数
②加算取得状況と要件の達成率
③欠席率
④スタッフ配置基準と常勤換算
⑤個別支援計画書・モニタリングの更新状況
① 利用実績数
放デイの報酬は、「何人の子どもが、何回来所したか」で決まります。
つまり「延べ利用人数」と「実利用者数」は、経営を支える最重要指標です。
スプレッドシートやグラフで可視化しておくと、早期に異変に気づけます。
✅確認ポイント
・週1回利用の子が多くなっていませんか?(利用者数は多くても収入は伸びない)
・新規利用・休止・退所の動きを把握していますか?
・昨年同月・前月と比較して、増減はありますか?
② 加算取得状況と要件の達成率
加算とは、一定の条件を満たした支援を行った場合に追加で受け取れる報酬です。
「児童指導員加配」「専門的支援実施加算」などが代表的です。
これを適切に取得できていない、または条件を満たしていないと、数万円〜数十万円の損失 になることもあります。
✅確認ポイント
・個別支援計画・モニタリングなど必要な手続きはすべて実施済みですか?
・加算条件を満たす記録が残っていますか?
・書類の不備や記載ミスはありませんか?
③ 欠席率
欠席が増えると、当然ながら報酬は減ります。それだけでなく、加算の算定にも影響が出る場合があります。
欠席が続く家庭には、プログラムや利用曜日の見直しが必要です。傾向を「見える化」して共有することで、早めの改善が可能になります。
✅確認ポイント
・月ごとの欠席率を数値で出していますか?
・同じ子が何度も欠席していませんか?
・欠席理由を把握し、電話や面談でフォローしていますか?
・特定の曜日・時間帯に偏りがありませんか?
④ スタッフ配置基準と常勤換算
放デイには、法令で定められた配置基準があります。
これを下回ると、加算が取れないだけでなく、報酬減算や返還のリスクも発生します。実地指導では「見た目の人数」ではなく、実働実績が厳しく確認されます。
✅確認ポイント
・常勤換算でスタッフ数が基準を満たしていますか?
・モニタリングや支援計画への関与が記録されていますか?
・シフト偏りによる「特定時間帯の人員不足」はありませんか?
⑤ 個別支援計画書とモニタリングの更新
ここは多くの事業所で「うっかりミス」が起こりやすい部分です。支援計画の更新を忘れたり、モニタリング記録が遅れたりすると、加算取り消しや報酬返還につながることもあります。
「記録があるけど署名がない」「実施日と記録日がズレている」など、細かい不備が後々トラブルになるケースも多いです。
✅確認ポイント
・今月、更新が必要な利用者は何人いますか?
・管理者・児発管によるモニタリングは月1回以上実施していますか?
・支援計画は保護者と共有し、署名をもらえていますか?
まとめ
今回ご紹介した5つの数字は、
事業所の現状を客観的に把握し、経営の方向性を定めるための指標です。
数字を見ることは、“安心して支援を続けるための土台”です。
「なんとなく大丈夫」ではなく、数字という根拠で“安心”を積み上げていく運営を目指しましょう。
出典:
【数字で改善】放デイ経営者が毎月チェックすべき重要指標まとめ
https://www.youtube.com/watch?v=qW7XLZiHoro