コラム
2025.10.10
【放デイ】最速でスタッフが成長する研修のコツ
「放課後等デイサービスで、スタッフがなかなか成長しない」
そんな悩みを抱えたことはありませんか?
日々、子どもたちに向き合う中で、スタッフ育成は後回しになりがちです。
しかし、育成をおろそかにすると、安定したサービスの提供が難しくなり、採用を繰り返さなければならないという悪循環に陥ってしまいます。
今回は、私が実際に行い、効果を実感した「最速でスタッフが成長する研修のコツ」をご紹介します。
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目次
スタッフ育成がうまくいかないと何が起きるか
スタッフ育成が不十分な事業所では、次の3つの問題が生じやすくなります。
①療育の質の低下
②離職率の上昇と採用コストの増大
③事業所の信頼性の低下
① 療育の質の低下
療育の現場では、子ども一人ひとりの特性に合わせた支援が求められます。
育成が不十分なスタッフは、子どもに合った支援ができず、誤った学習を与えてしまうこともあります。
感覚過敏のある子どもには、無理に刺激を与えることでストレスが増し、逃避行動が強化されてしまうケースがあります。
逆に、スタッフが正しい知識と技術を持っていれば、子どもが安心して過ごせる環境を整え、成長を促すことができます。
安心感のある環境は、子どもが自分の課題に向き合う力を育てるのです。
② 離職率の上昇と採用の難航
スタッフが育たない環境では、「自分が成長できていない」と感じ、モチベーションが下がり、早期離職につながります。
新人スタッフが指導を受けられずに悩みを抱え続けると、「自分には向いていない」と感じ、退職を考えるのは自然な流れです。
結果として、事業所は常に採用活動を続けなければならず、時間もコストも増えます。さらに、人が入れ替わることで残ったスタッフの負担も増え、現場が疲弊する「悪循環」に陥ってしまいます。
③ 事業所の信頼性の低下
保護者の信頼は、「療育の質」に直結します。
子どもの成長が見られなかったり、通うことを嫌がるようになると、保護者は不安を抱き、口コミやSNSで評判が下がることもあります。
信頼を失うと、利用者が減少し、経営にも大きな影響を及ぼします。だからこそ、「育成への投資」は事業の安定経営に不可欠なのです。
最速でスタッフが成長する3つの研修のコツ
① 体験を通して「子どもの困り感」を理解する
職員自身が子どもの困り感を体験する研修を取り入れます。
「書字障害」を疑似体験するワークでは、一部欠けた漢字見本を渡し、正確に書くよう指示すると、参加者は書けそうで書けないもどかしさを実感します。
この体験を通して、職員は「子どもの感じる難しさ」を体感的に理解できます。
結果として、「文字を大きく書く」「負担を減らす」「視覚支援を使う」など、具体的な支援方法を考えられるようになります。
② 学んだことをアウトプットする時間を設ける
研修で学んだ知識を“話す・考える・試す”時間を作ることが重要です。
たとえばケーススタディ形式で、「感覚過敏の子どもが騒がしい環境に置かれたとき、どう支援するか?」というテーマを設定し、参加者が意見を出し合います。
意見交換を通して新たな視点を得ることで、実践に活かせる対応力が自然と身につきます。
③ 学ぶ楽しさと意欲を引き出す工夫をする
職員が「学ぶことが楽しい」と感じる研修設計が重要です。
「クイズ形式で知識を振り返る」「関連書籍を紹介し、現場への応用を話し合う」といった方法があります。
クイズ形式ではチーム戦にして、楽しみながら知識を定着させます。
また、本を紹介することで職員自身が自発的に学び続ける力を養えます。
このように「楽しさ×学び」を融合させることで、職員は学習意欲が高まり、実践での応用力も飛躍的に伸びます。
デジタル×アナログの「ハイブリッド研修」で学びを継続
おすすめは、ICTを活用したオンライン学習+対面研修 の組み合わせです。
これにより、忙しい現場でも学びの機会を確保し、スタッフが継続的に成長できる仕組みを作れます。
この研修スキームは、単なる人材育成にとどまらず、事業所全体の運営基盤を強化し、地域から信頼される施設づくりにつながります。
まとめ
スタッフ育成は一朝一夕ではありません。
しかし、「体験」「アウトプット」「楽しさ」の3つを意識して研修を設計すれば、スタッフは確実に成長し、事業所全体が変わります。
育成は「時間のコスト」ではなく、「未来への投資」。スタッフが学び続ける組織は、必ず成長します。
出典:
【放デイ】最速でスタッフが成長する研修のコツ【放デイ歴15年以上】
https://www.youtube.com/watch?v=qW7XLZiHoro