【児童発達支援を始めるロードマップ】事業立ち上げに必要な条件・準備・ステップを解説


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児童発達支援の事業を新しく始めたいと考えている方にとって、何から手をつければいいのか、どんな準備が必要なのかは大きな疑問だと思います。やみくもに始めると費用や運営リスクが大きくなるだけでなく、子どもや保護者に迷惑がかかることもあります。本記事では、実際の準備経験をもとに解説した内容を整理し、児童発達支援を始めるためのロードマップとしてわかりやすくまとめました。

児童発達支援とは?概要と対象年齢

児童発達支援は、発達に遅れや障害を抱える子どもたちが、生活スキルや社会性を身につけ、自立に向けたサポートを受けられる障害児通所支援サービスのひとつです。対象は0歳から就学前までの未就学児で、専門スタッフが個別支援計画に基づき日常生活やコミュニケーション、社会性の発達を支援します。

放課後等デイサービス(放デイ)が小学生から高校生を対象とするのに対し、児童発達支援は幼児期に特化した早期療育の場となる点が特徴です。

児童発達支援のメリットとデメリット

子ども・家族にとってのメリット

  • 個別の発達段階に合わせた支援が受けられる
  • 集団活動を通じて社会性や協調性が育まれる
  • 保護者と専門スタッフが連携し、家庭での育児支援にもつながる

デメリットと課題

  • スタッフ不足による個別対応の限界
  • 家庭や園と施設で支援方針が一貫しない場合の混乱
  • 送迎や利用時間の制約による保護者の負担
  • 多機関連携の難しさ

これらの点を理解し、家庭・施設・地域が協力することが支援効果を高める鍵となります。

児童発達支援を始めるための条件

法人格を有すること

児童発達支援事業を開設するには、株式会社・合同会社・NPO法人などの法人格が必要です。定款には事業目的として児童発達支援の運営を明記し、必要に応じて定款変更を行います。

指定基準を満たすこと

大きく3つの基準を満たす必要があります。

  • 人員基準:管理者、児童発達支援管理責任者、児童指導員や保育士の配置。定員に応じて人数が変動。
  • 設備基準:指導訓練室、相談室、事務室、トイレ・洗面所などを備えること。
  • 運営基準:運営規程の作成、安全・説明責任・定員管理・個別支援計画の作成などを実施すること。

開設までのロードマップ

ステップ1:地域の実情を把握

まず取り組むべきは、地域の実情を把握することです。
自治体や支援協議会のデータを調べ、競合となる施設の状況や利用者の声を集めることで、その地域ならではのニーズを明確にし、支援方針を定めていきます。

ステップ2:解説準備

次に行うのが、開設準備です。
アクセスの良さや設備基準を満たす物件を選定し、必要なスタッフを採用して研修体制を整えます。また、日々の書類業務を効率化するために、早い段階からICTを導入しておくことも大切です。

ステップ3:周知活動と利用者募集

準備が整ったら、周知活動と利用者募集に移ります。
自治体や教育機関と連携して広報や説明会を実施するほか、地域のイベントや子育てサークルで情報発信を行うと効果的です。見学会や相談窓口を設けて保護者との信頼関係を築くことも欠かせません。

ステップ4:支援プロセスの実施

そして最後に、支援プロセスの実施に進みます。
アセスメントに基づいて個別支援計画を作成し、集団活動と個別活動をバランスよく行います。さらに、家庭や園と連携して一貫性のある支援を提供することで、子どもの成長を継続的にサポートできる体制が整います。

まとめ

児童発達支援を始めるには、法人格や基準を満たすことはもちろん、地域の実情を把握した上で丁寧な準備が欠かせません。子ども・家族にとって安心できる場所をつくるには、施設・家庭・地域が協力しながら支援体制を築くことが大切です。本記事のロードマップを参考に、事業立ち上げを具体的に進めてみてください。

出典:
【放デイ事業者必見】児童発達支援を始めるロードマップ【児発】
https://www.youtube.com/watch?v=qW7XLZiHoro

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