コラム
法改正
2024.06.04
報酬改定後の個別支援計画書の様式は?本人支援・家族支援・移行支援の書き方について解説!
5月17日にこども家庭庁から個別支援計画書の作成に関する最新の文書が発表されました。
今回の記事では報酬改定後の個別支援計画書の様式について、経過措置期間終了後に減算にならないために要点をまとめて、わかりやすくお伝えしていきます。
放課後等デイサービス・児童発達支援事業所の事業者の皆さまにぜひご参考いただけますと幸いです!
報酬改定後の個別支援計画書の様式は?本人支援・家族支援・移行支援の書き方について解説!
目次
報酬改訂後、最新の個別支援計画書の様式は?
報酬改定後の個別支援計画書の様式について、改定の方向性や重要ポイントはこちらの記事でもご紹介していますのでぜひご参考ください。
【法改正】放課後等デイサービスにおける5領域の支援とは?個別支援計画書への反映方法も解説
今回は、こども家庭庁から出た最新の様式についてご紹介いたします。
参考資料:
- こども家庭庁支援局障害児支援課 令和6年5月17日事務連絡 【別紙2】個別支援計画書の記載のポイント 参考様式版
- こども家庭庁支援局障害児支援課 令和6年5月17日事務連絡 【別紙3】個別支援計画書(参考記載例)
【個別支援計画全般に係る留意点】
〇 個別支援計画の作成に当たっては、こどもの意思の尊重(年齢及び発達の程度に応じた意見の尊重等)及びこどもの最善の利益の優先考慮の観点を踏まえて作成することが必要である。
〇 それぞれの記載項目について、こどもと家族の意向とアセスメントを踏まえて、つながり を持って作成していくことが必要である。「利用児及び家族の生活に対する意向」も踏まえて 「総合的な支援の方針」を設定し、それを受けた「長期目標」「短期目標」、それを達成するための「支援目標及び具体的な支援内容等」を設定すること。
〇 5領域(「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」以下同じ。)の視点等を踏まえたアセスメントを行った上で、5領域の視点を網羅した支援を行うことが必要である。この際、5領域の視点を持ちながら、こどもと家族の状況を多様な観点・情報から総合的・包括的に確認・分析してそのニーズや課題を捉え、そこから必要な支援を組み立てていくことが重要であり、単に5領域に対応する課題や支援へ の当てはめを行うだけのアセスメント・計画作成にならないよう留意すること。 なお、発達支援は個々のこどもへのアセスメントを踏まえたオーダーメイドの支援を行う ものであり、支援目標や支援内容がそれぞれのこどもについて同一のものとなることは想定されないこと。
〇「支援目標及び具体的な支援内容等」においては、発達支援の基本となる「本人支援」「家 族支援」「移行支援」について必ず記載すること。また、「地域支援・地域連携」(例:医療機 関との連携等)については、必要に応じて記載することとするが、関係者が連携しながらこどもと家族を包括的に支援していく観点から、当該事項についても積極的に取り組むことが望ましい。
〇 アセスメントに基づくこどもの状態像の把握を適時に行いながら、PDCA サイクル(Plan (計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)で構成されるプロセス)により支援 の適切な提供を進めることが必要である。個別支援計画の作成後も、こどもについての継続 的なアセスメントによりこどもの状況等について把握するとともに、計画に基づく支援の実 施状況等の把握を行い、モニタリングの際には、作成した個別支援計画に定めた支援目標に 対する達成状況等の評価を行い、これを踏まえて個別支援計画の見直しを行うこと。 この観点からは、支援目標や支援内容の記載が長期にわたり同一であることは想定されないこと。
こども家庭庁支援局障害児支援課 令和6年5月17日事務連絡 【別紙2】個別支援計画書の記載のポイント 参考様式版
個別支援計画書の記載のポイントについてわかりやすく要約
今回、出された「個別支援計画書の記載のポイント」について以下に要点をまとめました。
・児童の利益を最大限に考え個別支援計画書の作成をしましょう
・家族の意向を踏まえて長期目標、短期目標を設定し、目標を達成するための支援を行いましょう
・5領域(「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」)の視点を持ったアセスメントを実施し総合的な支援を行いましょう
・「本人支援」「家族支援」「移行支援」について必ず記載しましょう
・常にPDCAサイクルを意識してモニタリングを実施し、より良い支援計画の作成を継続しましょう
上記の点を踏まえた個別支援計画書の作成を行うことがすべての事業所で必要になります。
個別支援計画書の経過措置はいつまで?
報酬改定後の個別支援計画書の経過措置は2024年10月31日までです。
11月1日以降は上述したポイントを抑えた個別支援計画書を作成する必要があります。まだ、対応できていない事業所、対応する目途が立っていない事業所は早急に新様式への対応をしましょう。
個別支援計画書内の「本人支援」記載のポイント
本人支援の記載のポイントは以下のように記されています。
【本人支援】
・アセスメントやモニタリングに基づき、こどもが将来、日常生活及び社会生活を円滑に営めるようにする観点から、本人への発達支援について、5領域との関連性を含めて記載する。
・5領域との関連性については、5つの領域全てが関連付けられるよう記載すること。相互に関連する部分、重なる部分もあると考えられるため、5つの欄を設けて、個々に異なる目標を設定する必要はないが、各領域との関連性についての記載は必ず行うこと。
・保育所等との併行利用や複数の障害児通所支援事業所を組み合わせて利用している場合は、保育所等や他の事業所での支援内容とお互いの役割分担を踏まえた上で、自事業所における支援について記載する。
こども家庭庁支援局障害児支援課 令和6年5月17日事務連絡 【別紙2】個別支援計画書の記載のポイント 参考様式版
本人支援では、5領域すべてに関連付けられた支援内容をもれなく記載する必要があります。こども家庭庁の記載例を参考にし、児童ひとり一人に合った支援内容を記載しましょう。
個別支援計画書内の「家族支援」記載のポイント
家族支援の記載のポイントは以下のように記されています。
・こどもの成長・発達の基盤となる親子関係や家庭生活を安定・充実させる観点から、家族支援について記載する。【家族支援の例】
こども家庭庁支援局障害児支援課 令和6年5月17日事務連絡 【別紙2】個別支援計画書の記載のポイント 参考様式版
・こどもの発達状況や特性の理解に向けた相談援助、講座やペアレントトレーニングの実施
・家族の子育てに関する困りごとに対する相談援助
・レスパイトや就労等の預かりニーズに対応するための支援
・保護者同士の交流の機会の提供(ピアの取組)
・きょうだいへの相談援助等の支援
・子育てや障害等に関する情報提供 等
児童が日頃生活する家庭や関わりの深い家族との連携は非常に重要です。
家族支援の項目では効果的な支援を行うために家族と連携して行うことなどを記載しましょう。
個別支援計画書内の「移行支援」記載のポイント
移行支援の記載のポイントは以下のように記されています。
・インクルージョン(地域社会への参加・包摂)を推進する観点から、支援の中に「移行」という視点を取り入れ、こどもや家族の意向等も踏まえつつ、保育所等の他のこども施策との併行利用や移行に向けた支援、同年代のこどもとの仲間づくり等の「移行支援」につ
いて記載する。
・移行支援は、必ずしも保育所等への具体的な移行だけを念頭に置くものではなく、入園・入学等のライフステージの切り替えを見据えた将来的な移行に向けた準備や、事業所以外の生活や育ちの場である保育所等の併行利用先や学校等での生活や支援の充実、こどもが
地域で暮らす他のこどもと繋がりながら日常生活を送ることができるようにすること等、利用児童の地域社会への参加・包摂に係る支援が含まれるものであること。
【移行支援の例】
・保育所等への移行に向けた、移行先との調整、移行先との支援内容等の共有や支援方法の伝達、受入体制づくりへの協力や相談援助への対応等の支援
・具体的な移行又は将来的な移行を見据えて支援目標や支援内容を設定しての本人への発達支援(※)
・進路や移行先の選択についての本人や家族への相談援助や移行に向けての様々な準備の支援(※)
・保育所等と併行利用を行っている場合や、就学児の場合に、こどもに対し障害特性等を踏まえた一貫した支援を行うため、併行利用先や学校等とこどもの状態や支援内容等についての情報共有や支援内容等(例:得意不得意やその背景の共有、声掛けのタイミング、コミュニケーション手段等)の擦り合わせを行う等の連携・支援の取組
・地域の保育所等や子育て支援サークル、地域住民との交流 等
(※)移行支援の視点を持った本人支援や家族支援を行う場合、「項目」の欄は切り分けることなく、「本人支援」「家族支援」と「移行支援」を併記することで差し支えない。
こども家庭庁支援局障害児支援課 令和6年5月17日事務連絡 【別紙2】個別支援計画書の記載のポイント 参考様式版
インクルージョンの観点においてどのような移行支援を行うのか明文化することは非常に重要です。就学などのタイミングで児童が地域社会と繋がりながら生活ができるような支援を行いましょう。
個別支援計画書「本人支援」「家族支援」「移行支援」の記載例
「本人支援」「家族支援」「移行支援」の具体的な記載例について、こども家庭庁が2024年5月17日に公開をしています。下記よりご参照ください。
こども家庭庁支援局障害児支援課 令和6年5月17日事務連絡 【別紙3】個別支援計画書(参考記載例)
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経過措置が10月31日までと迫っている、新規開所が決まった児童の支援計画書を作成しなければならない。しかし、5領域の支援内容を明記した個別支援計画書を作成するのは難しいし、作業時間が確保できない。
そんな事業者の方も多いと思います。
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株式会社ヴィリング マーケティングチーム