コラム
法改正
2024.05.14
【令和6年報酬改定】個別サポート加算の変化と条件を解説
令和6年度の障害福祉サービス報酬改定では、支援ニーズの高い児への支援を充実させることが1つの重要ポイントとして議論されました。その結果、個別サポート加算の加算単位数や算定条件も変化しています。今回はその変更点を中心に解説していきます。なお、本記事では下記の資料を参照しています。
・令和6年2月6日 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容(案)
・令和6年2月6日 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要
・令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.1(令和6年3月29 日)
・令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.2(令和6年4月12日)
【令和6年報酬改定】個別サポート加算の変化と条件を解説
目次
個別サポート加算とは?
個別サポート加算とは、事業所に通所するにあたり、より手厚いケアを必要とする児に対しての支援を充実させる観点から創設された加算です。
令和6年度報酬改定では、特に支援ニーズの高い児への支援の充実が重要視されたため、個別サポート加算の算定条件にも見直しが図られました。下記では、それぞれの加算について解説していきます。
児童発達支援の個別サポート加算(Ⅰ)
児童発達支援における個別サポート加算(Ⅰ)は保護者の負担軽減・事務の効率化の観点から基本的には基本報酬に包括して評価するという方針になりました。そのため、見直し後には重症心身障害児等、著しく重度の障害児に対しての支援の場合に算定可能となります。
対象となる児のうち「重症心身障害児」以外については、手帳の交付を受けていることが算定の要件となります。診断書等は要件になりません。
現行 | 改定後 | |
単位数 | 100単位/日 | 120単位/日 |
条件 | 著しく重度又は行動上課題のあるケアニーズの高い障害児(乳幼児等サポート調査表で食事・排せつ・入浴・移動が一定の区分に該当)に対して支援を行った場合。 | 重症心身障害児等、著しく重度の障害児に対して支援を行った場合。 |
※どちらも主として重症心身障害児が利用する事業所の基本報酬を算定している場合を除く
算定にあたっては、今まで乳幼児等サポート調査表で食事・排節・入浴・移動が一定の区分に該当していたとしても、今後は対象にならない可能性があるので注意して下さい。
放課後等デイサービスの個別サポート加算(Ⅰ)
放課後等デイサービスにおける個別サポート加算(Ⅰ)では、強度行動障害の知識を持つ職員による支援が行われた場合、また、著しく重度の障害児への支援が行われた場合に単位数に応じた加算が設けられました。この加算の狙いは、行動障害の予防的支援を充実させることにあります。
現行 | 改定後 | |
単位数 | 100単位/日 | ①90単位/日➁120単位/日 |
条件 | 著しく重度(食事・排せつ・入浴・移動のうち3以上が全介助)又はケアニーズの高い | ①ケアニーズの高い障害児に対して支援を行った場合➁ 同 強度行動障害者養成研修(基礎研修)修了者を配置し支援を行った場合、又は著しく重度の障害児に対して支援を行った場合 |
なお、強度行動障害児支援加算との併用に関しては下記の通りです。
- 強行動支援加算+個サポ(Ⅰ)①(90単位)→算定可
- 強行動支援加算+個サポ(Ⅰ)➁(120単位)・著しく重度の障害児支援→算定可
- 強行動支援加算+個サポ(Ⅰ)➁(120単位)・強度行動障害者養成研修修了者を配置し、支援を行った場合→算定不可
※強行支援加算=強度行動障害児支援加算 ※個サポ(Ⅰ)=個別サポート加算(Ⅰ)
個別サポート加算(Ⅱ)
個別サポート加算(Ⅱ)に関しては、こども家庭センターが連携先の一つとして明記されました。また、サポートプランに基づく支援との連携を推進する観点から、評価が見直されています。
現行 | 改定後 | |
単位数 | 125単位/日 | 150単位/日 |
条件 | 要保護・要支援児童に対し、児童相談所等と連携して支援を行った場合 | 要保護・要支援児童に対し、児童相談所やこども家庭センター等と連携して支援を行った場合 |
新設:個別サポート加算(Ⅲ)
個別サポート加算(Ⅲ)は新設の加算です。
不登校児童への支援の充実を図る観点から、通常の支援に加え、学校との連携のもと支援を行った場合に算定できる加算となりました。背景には、不登校児の増加を考慮したのだと考えられます。
単位数 | 70単位/日 |
条件 | 不登校の状態にある障害児に対して、学校との連携の下、家族への相談援助等を含め、支援を行った場合。 |
支援にあたっては、保護者の同意が得られていること、また、学校との緊密な連携を図りながら支援を行うことが取り組みの想定とされています。
取り組みの中では、月1回以上学校と情報共有等を行い、支援の継続の要否について検討することが求められています。
まとめ
以上、個別サポート加算についてまとめてきました。
- 児童発達支援での個別サポート加算(Ⅰ)は重症心身障害児等、著しく重度の障害児に対しての支援が算定の対象になった
- 放課後等デイサービスでの個別サポート加算(Ⅰ)は支援者側の条件によって単位数が異なる
- 個別サポート加算(Ⅲ)が新設された
変更のポイントはお分かり頂けたでしょうか。
算定条件をしっかりと確認し、賢く事業所運営に生かしていきましょう。
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