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【放デイ職員直伝】利用者の継続率を上げるためにやっていること


放課後等デイサービスの運営において、「利用者数が安定しない」「新規獲得に追われてしまう」といった悩みを抱えている事業所は少なくありません。
実は、こうした悩みの多くは「利用者の継続率」を高めることで、大きく改善できます。

今回は、現場で実際に成果が出た利用者の継続率を上げるための具体的な取り組みを、放デイ職員の実体験をもとにご紹介します。

【Youtube動画はこちら】

継続率が上がると、運営はどう変わるのか?

① 売上が安定し、長期的な計画が立てやすくなる

利用が安定すると、「教材の導入」「システム整備」「スタッフ研修」などに予算を回せるようになります。
結果として、サービスの質が向上し、さらに継続率が高まるという好循環が生まれます。

②新規利用者の獲得にかかる時間・コストが減る

新規利用者が増えるたびに、面談・書類作成・慣れるまでの支援など、スタッフの負担は大きくなります。
継続利用者が多い事業所では、その分の時間を 「支援の質を高めること」 に使うことができます。

③ 口コミ・紹介で自然に新規利用者が増える

長く通っているご家庭との信頼関係が深まると、「ここは安心できる」と自然に紹介が広がります。
実際に、広告費をかけず保護者からの口コミだけで待機が出る状態になった事業所もあります。

④ 子どもたちと“本当の意味で”深く関われる

放デイは、小学1年生から高校3年生まで利用できるサービスです。
継続して関わることで、「小さな成長」「つまずき」「ライフステージの変化」に合わせた支援が可能になります。
これは、スタッフにとっても大きなやりがいにつながります。

利用者の継続率を上げるためにやっている3つのこと

では、実際にどんな取り組みを行えばいいのでしょうか。
現場で効果があったものを、3つご紹介します。

① 定期的な「1対1の保護者面談」を行う

月1回以上、保護者を交えた面談を実施します。
面談では、「最近の成長」「事業所での様子」「家庭・学校での様子」「今後の課題や目標」を共有します。
ポイントは、面談後にスタッフ全員で情報を共有することです。
これにより、支援の軸がぶれず、「ちゃんと見てくれている」という安心感につながります。

② 日々の様子・成長を“具体的に”共有する

連絡帳などを通じて、毎日の活動や小さな変化を丁寧に伝えることが大切です。
その際、「今日は楽しく過ごしました」といった抽象的な表現だけでなく、「今日は自分からお友だちに声をかけて遊びに誘っていました」というように、実際の行動が伝わる書き方を意識すると、保護者の方もお子さんの成長を具体的にイメージしやすくなります。

また、うまくいかなかった場面や、いつもとは少し違う様子が見られた場合も、そのまま正直に伝えることが大切です。良いことだけでなく、課題や変化も共有することで、「この事業所はきちんと子どもの姿を見てくれている」という安心感につながり、結果として保護者との信頼関係がより深まっていきます。

③スタッフの専門性を活かしたプログラムを提供する

言語聴覚士や作業療法士など、スタッフが持つ専門性を活かした支援は、事業所にとって大きな強みになります。
言葉の発達に課題があるお子さんには言葉のトレーニングを行い、手先の不器用さが気になるお子さんには巧緻性を高める支援を取り入れるなど、それぞれの困り感に合わせた関わりが可能になります。また、読み書きに苦手さを感じているお子さんに対しても、専門的な視点から無理のないアプローチを行うことで、少しずつ成功体験を積み重ねていくことができます。

こうした支援を通じて、保護者の方に「ここなら安心して任せられる」と感じてもらえることが、継続利用につながっていきます。一方で、特定の支援や領域に偏りすぎてしまうと、子どもの発達を多面的に捉えることが難しくなる場合もあります。そのため、専門性を活かしつつも、5領域をバランスよく意識した支援を行うことが大切です。

継続率が高い事業所に共通すること

継続率が高い事業所には、共通点があります。

  • 子どもの成長を、保護者と一緒に喜んでいる
  • スタッフ全員が同じ方向を向いて支援している
  • 保護者の悩みや不安に、真摯に向き合っている

こうした積み重ねが、「ここに通い続けたい」「知り合いにも紹介したい」という気持ちにつながります。行う大人は、子どもの変化を丁寧に観察し、その過程を記録することが大切です。
また、「できた」「できなかった」に一喜一憂せず、長い目で見守る姿勢が必要です。

まとめ

利用者の継続率を上げることは、「運営の安定」「サービスの質向上」「子どもとの深い関わり」すべてにつながります。
すぐに大きな変化は出なくても、地道に続けることで、必ず成果は現れます。
まずは、今日からできることを1つ。
継続率を意識した運営、始めてみてはいかがでしょうか。

出典:
【放デイ職員直伝】利用者の継続率を上げるためにやっていること
https://www.youtube.com/watch?v=qW7XLZiHoro

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